ビールと発泡酒の違いってどこ? 気になるところをまとめてみました

「今日は一杯やりたいな。でも給料日前で財布は軽いからなるべくなら安上がりに……」「お父さん疲れてるだろうからお酒飲ませてあげたいな。でも高いものはちょっと……」そんな風に考えてビールじゃなく発泡酒を選ぶ方は結構いらっしゃると思います。かく言う筆者も同様で、たかだか100円の違いのために自動販売機の前で己の欲望をぐっと堪えて安い方を選んでいました。でも、この二種類のお酒、いったいどう違うんでしょうか。そう聞かれたら即答出来る人はあまりいませんよね? 私もちょっと疑問に思ったので、良い機会だと思い少しばかり調べてみることにしました。調べてみたらこの二種類のお酒の意外な関係が見えてきました。

実はこの二種類のお酒は、ほとんど同じものなんです。原料もほとんど同じ。麦芽、ホップ、米、コーンスターチなど、よく知られた材料ですね。麦芽を糖化させてアルコール発酵させ、度数20%以下にしたもので麦芽が全体の2/3以上使用されているとビールに、それ以下だと発泡酒に分類されるんです。もう一度言います。原料はほぼ同じなんです。この二種類のお酒は。価格があれだけ違うのだから、当然原材料も全然違うと思っていた私は驚きを通り越して唖然としてしまいました。何で500mlの缶で100円も違うんだよと。

製法も原料もほぼ同じで、出来るお酒もこれまたほぼ同じなのに、なぜこんなことが起きるかというと、そこには酒税法という法律が関わってきます。実はさっきの材料による分類ですが、あれは酒税法によるものなんですね。酒税法で「ビール」と認められると、税率がぐんと上がる。それならば麦芽の量を減らして、消費者により安価で美味しいお酒を届けよう。これがメーカーの考えだったわけです。企業努力の賜ですね。各メーカーの商品開発担当の方々には頭が上がりません。いつも美味しいお酒をありがとうございます。

酒税法の規定にも不可解な点はけっこうあります。例えば、海外製のフレーパー付きのビールは、酒税法で原材料と認められていないものが材料として使われていることがあるため、発泡酒として分類されたりもします。いかにもお役所仕事という感じで「頭が硬いというか、地頭がわるいというか」という感想しか出てきませんが、それでも法律は法律です。海外製のフレーバーつき「発泡酒」はどんどん輸入してください。消費者としてはとてもありがたいので。

このふたつのお酒の違いは極論で言えば「税率の違い」と言ってしまって構わないと思うのですが、それでも「やっぱり味が違う……」と仰る方も多いかと思います。この二種類のお酒の間にそこまでハッキリした味の違いはないのではないでしょうか。私が味音痴なだけかもしれませんが、私はどちらも美味しくいただいています。ただ、「第三」の選択肢であるといわれるリキュール類はハッキリ味の違いが分かりますね。これも企業努力で味をなるべくよくするように頑張っているのは分かるのですが……。

酒税法が改正され税率が一律になるため、各地にあるクラフトビアの醸造所などはこの法改正を歓迎しているようです。クラフトビアの中でもフルーツビアなどを造っているところは材料などの関係で発泡酒扱いになっていて、ブランドイメージが損なわれているからだそうで、法改正によってビール系飲料の分類が統一されることで堂々と名乗れるようになることは喜ばしいことなのだそうです。一方、大手メーカーでも分類が統一されると、これまで造れなかった新しいタイプの製品が造れる可能性が出てくるので、こちらも商機であると捉えているようです。確かに新たな挑戦の場がメーカーの大小を問わずに与えられるのは良いことですね。そして、消費者としてもどんな新しいお酒が出てくるのか、今から楽しみでしかたありません。ちなみに筆者はお酒は好きですがとても弱いので、ゴクゴクのむよりも少しずつ味わって飲みたいタイプです。

さて、よく似た二種類の発泡性のお酒の違いについてつらつらと書き連ねてみましたが、結局この二種類はほとんど同じものだという結論に達してしまいました。材料も製法もほぼ同じなんですから、同じになって当たり前なんですけどね。そこに酒税法という税金がかかってくるだけで一本あたりの価格が跳ね上がるのが、いかにも「大人の事情」という感じです。もちろんお酒は大人の飲み物ですから、全ては大人の事情なのですが。さらに、酒税法の規定のおかげで本来のカテゴリから外れてしまうお酒があったりするわけで、もう少し柔軟な対応をしても別に罰は当たらないと思うんですが、国税庁のえらい人はどうお考えでしょうか。

それはともかく、酒税法の改正でビール系飲料のカテゴリが統一されると、発泡酒という分野がなくなるわけで、それはそれでちょっと寂しい気もするんですよね。まあ、美味しいお酒がのめるならそれで全てはOKなんですけど。

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